ALCパネルは定期的に修繕しないと修繕費用が高額になるので注意!

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ALCパネルとは?

「ALC」とはAutoclaved Light weight aerated Concreteの頭文字をとったもので、「高温で発砲加工した軽量のコンクリート(軽量気泡コンクリート)」のことを指します。建築で使われるALCは上記の軽量気泡コンクリートをラス網と呼ばれる金属網によって補強したものです。

ヘーベルボードという言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、こちらもALCボードの一種です。ヘーベルボードとは旭化成ホームズが売り出しているヘーベルハウスに採用されているALCボードのことで、一般戸建住宅で多く使われているためALCボードの代名詞としてヘーベルボードと呼ばれることがあります。

この長方形の1枚1枚がALCボードで、ボードとボードの間に溝(目地)があります。
※補修により溝(目地)が埋まっているものもあります。

ALCボードが採用される理由

1.軽量な外壁材である

「軽量気泡コンクリート」と呼ばれるように、ALCは内部に気泡を含むコンクリートです。重さは通常のコンクリートの4分の1程度に抑えることが出来るため、建物への重量負荷を抑えることができ、軽量な分施工性も良くなるためコスト削減にも繋がります。

2.断熱性が高い

ALCは壁材の中でも断熱性が高いのが特徴の一つです。コンクリート内部に含まれる気泡の空気層が断熱材の役割を果たすため、熱伝導率は通常のコンクリートの約10分の1と言われています。

3.耐火性が高い

材質がコンクリートであるため、火や熱に強く、有害物質が発生しないというメリットがあります。火に弱い鉄骨造や木造で採用されるため、隣家からの延焼を抑える観点からも理にかなっている壁材と言えます。

4.遮音性が高い

断熱性と重複する部分ではありますが、コンクリート内部に含まれる気泡の空気層が音を吸収するため、遮音性を高めることが出来ます。防音壁としてALCボードが採用されることもあるほど遮音性が認められています。

メンテナンスを怠ると漏水しやすいALCパネル

たくさんの強みがあるALCパネルですが唯一の弱点はALCパネル自体は水に弱いということです。

1.ALCは水を吸ってしまう

ALCは多孔構造であるため、防水性はなく吸水性があります。またコンクリートはアルカリ性質を持っているため雨などの酸性の水分を吸収してしまうと中性化が起こり、コンクリート自体の耐久性が著しく低下してしまいます。寒冷地などでは吸収した水分が凍ることでひび割れの原因にもなります。

2.シーリング材を多用する構造

ALCボードは規格の決まったサイズのボードを貼り合わせるように施工するため、自ずとジョイント(目地)部分が増え、シーリング処理をしなければいけない範囲が広くなります。また、上記の通りALCには吸水性があるため、少しでもシーリングに隙間が生じると水分の侵入口となってしまい、ボードの劣化を促しやすい状況に繋がってしまいます。

定期的なメンテナンスは必須となるので注意

つまりALCパネル自体は吸水性が非常に高いため塗膜や陶磁器タイルを張り付けて、直接水が当たらないようにすることが必須となります。また、線防水である「シーリング目地」も多いためこちらもメンテナンスが必要です。

もしもメンテナンスを怠ってしまうとALCボードが水を吸ってしまい塗装では対応ができなくなったり、漏水が発生してしまい漏水原因を究明しながら全体の防水工事をやり直さなければいけないこともなってしまいます。

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